Merck社(ドイツ)

ポリシラザンコーティングとは?

Merck社により製造される「パーヒロドポリシラザン(Perhydropolysilazane)」という独自物質が大気中の水分と反応してシリカガラズに転化する事を利⽤したコーティング剤で、商品名はアクアミカ(AQUAMICATM) です。

特⻑ 及び 性質

常温で瞬間硬化し、約 2 週間でガラスへ転化致します。石英ガラスの硬度を保ち、10 年以上の耐候性があります。
メーカー促進耐候試験データによります。基板や下地塗料の影響を受けますので個別に確認が必要です。
ポリシラザンコーティングで形成された膜は、自然界の石英ガラスと同じですので、廃棄しても無害で環境に対して影響はございません。勿論ノンハロゲンです。焼却されても、埋められても、溶解されても問題ありません。
これらの特長、性質は、汚れ防止、防サビ、防カビ、防水、耐キズなどで発揮されます。

1. 耐熱性
2. バリア性
3. 密着性
4. 透明性
5. 耐候性
6. 電気絶縁性
7. 化学的耐食性
8. 親水性
9. 平坦性
10. 耐磨耗性

膜の性質

(1)表⾯硬度

アクアミカの最大の特徴である防汚性は、それの持つ表面硬度に起因しています。この裏付けとなるデータが図 1 です。これは 1 ミクロン程度の薄膜の本質的な硬さと弾性率測定することのできるナノインデンター(※)という特殊な装置によるデータです。高温焼成させたアクアミカは、ソーダガラス以上の硬さを示し、常温で 1 ヶ月硬化させたものでも、ガラスの半分程度の硬さにまで達しており、既存のハードコート材と比べても、圧倒的な違いを証明しています。

ナノインデンテーション法による薄膜の硬度測定データ

コーティング材料 硬化条件 弾性値(Gpa) 硬度(Gpa)
アクアミカ 室温×1 ヶ月 33 3.2
アクアミカ 900℃×30 分 74 9.4
ガラス 80 8.1
自動車用 A 社コーティング剤 室温×1 ヶ月 3.5 0.2
シリコーンハードコート 4 0.8
アクリルハードコート 5 0.4
ポリカーボネート 3 0.3

※鉛筆硬度とは異なります。鉛筆硬度は塗布した基材の硬さに大きな影響を受けます。基材を含めた一種の破壊試験です。

(2)親⽔性

ナノインデンテーション法による薄膜の硬度測定データ

親水性とは、物質の表面が水になじむ、濡れやすいということです。この性質を持つ表面は、雨、水洗いなどで、汚れが落ちやすい状況を作り出します。親水性は通常、対水接触角でその程度を表し、塗料の業界では、40°程度以下を親水性と呼んでいます.図 2 にアクアミカの接触角を示します。親水促進剤の併用で、10~20°という高い親水性を塗布後すみやかに得ることができます。

(3)耐久性

耐候性促進試験。図 3 は、強い紫外線、温度、湿度による加速試験結果で、長期耐久性の優れることが確認できます。

基盤 アクアミカ 塗布法 膜 厚 照射時間 結 果
ウレタン塗装カラー鋼板
(ブラック)
NP140-01 フロー 約 0.1 ミクロン 300 時間 光沢あり、変色せず
NP140-02 約 0.2 ミクロン
NP140-03 約 0.3 ミクロン
なし(コントロール) 光沢なし、グレーに色あせ
ポリエステル塗装鋼板
(ベージュ)
NP140-01 スプレー 約 0.2 ミクロン 光沢あり
なし(コントロール) 光沢なし

試験装置:アイスーパーUV テスター
紫外線照射強度:90mW/㎠
温度:63℃
湿度:80%

(4)耐酸性

下記図のとおり常温硬化、低温焼成を含む種々の条件で、耐酸性を発揮します。

塗布液 硬化条件 膜厚変化
NP110 200℃×30 分 なし
250℃×30 分
300℃×30 分
50℃,90%RH×1 日
室温×10 日
NL110 200℃×30 分 なし
250℃×30 分
300℃×30 分
50℃,90%RH×1 日
室温×10 日

基板:Si ウエハー
PHPS:P110、NL110
塗布法:スピンコート
膜厚:約 0.5 ミクロン
耐酸試験条件 :1%H2SO4×24 時間(室温)

(5)バリア性

下記図のとおり適切な硬化条件により、フィルムへのガスバリア性を付与することが出来ます。

サンプル サンプル
基 材(75μmPET) 片面塗布品 両面塗布品
シリカ膜厚(μm) 0 0.6 0.6
酸素透過率(cc/m2/24h/atm.)
@0%RH(JIS7126K)
25 1~2 <1
@65%RH 1~2 <1

基板:NL110(低温タイプ)
硬化条件:120℃×1 時間⇒95℃、80%RH×3 時間
施工:グラビアロールによる連続塗布

(6)防汚

下記の図はカーボン、マジック、食品などによる汚染性の試験結果例で、優れた防汚効果が確認されています。

試験項目 基盤 アクアミカ 塗布法 焼付け 膜厚 結果
マジック汚染 ポリエステル塗装鋼板 NL110A バーコート 80℃×30 分 約 0.1 ミクロン 色残りなし
なし 色残りあり
亜鉛メッキ鋼板 NP140 スプレー 常温 約 0.1 ミクロン 色残りなし
なし 色残りあり
食品汚染(カラシなど) ポリエステル塗装鋼板 NL110A バーコート 80℃×30 分 約 0.1 ミクロン 色残りなし
なし 色残りあり
カーボン汚染 亜鉛メッキ鋼板 NP140 スプレー 常温 約 0.1 ミクロン 色残りなし
なし 色残りあり
雨だれ暴露(6 ヶ月) ポリエステル塗装鋼板 NP140 フロー 常温+親水促進剤 約 0.1 ミクロン 雨すじなし
なし 雨すじあり
亜鉛メッキ鋼板 NP140 スプレー 常温 約 0.1 ミクロン 雨すじなし
なし 雨すじあり

(7)防⾷

下記図は塩水噴霧、CASS などによる耐食性の試験結果例で、優れた防食効果が確認されています。

試験項目 基盤 アクアミカ 塗布法 焼付け 膜厚 結果
塩水噴霧 アルミ NL110A フロー 120℃×30 分 約 1 ミクロン 変化なし
140℃×20 分
亜鉛メッキ鋼板 スピン 80℃×1 時間
CASS アルミ フロー 120℃×30 分
高温酸化 ステンレス スピン 500℃×30 分 変色なし

(8)耐スクラッチ

下記図は鉛筆硬度、研磨性洗剤による耐傷性の試験結果例で、優れた防傷効果が確認されています。

試験項目 基盤 アクアミカ 塗布法 焼付け 膜厚 結果
磨耗(研磨性洗剤) ステンレス(鏡面) NL110A スピン 200℃×1 時間 約 1 ミクロン 変化なし
なし(コントロール) 傷だらけ
鉛筆硬度 NL110A スピン 200℃×1 時間 約 1 ミクロン 7H
なし(コントロール) 2H

製品グレード紹介

下にアクアミカの製品ラインアップを示します。グレードは、触媒、溶媒、濃度のそれぞれを、使用目的、塗布方法によりお選びいただけます。

アクアミカの商品ラインアップ

NN110 NN310 NL110A NL120A NL150A NP110 NP140 SP140 UP140 エアゾール缶
シリカ転化温度(℃) 450 450 250 250 250 150 150 150 150 150
触媒 なし なし パラジウム系 パラジウム系 パラジウム系 アミン系 アミン系 アミン系 アミン系 アミン系
溶媒 キシレン キシレン キシレン ジブチルエーテル ソルベッソ キシレン ターベン ターベン ターベン ターベン
色調 無色 無色 茶褐色 茶褐色 茶褐色 無色 無色 無色 無色 無色
特徴 末端メチル化品
安定溶液品
安全溶媒品 レベル性良好 弱溶剤
一般コーティング
抗菌タイプ UV カットタイプ 300cc
濃度 20% 20% 20% 20% 5%,3% 20% 2%,1%,0.75%,0.5% 1%,0.5% 5%,2% 1%

その他の商品

親水促進剤 4Li 入り アクアミカ塗布後の親水度を促進する
車用コンディショナー 500ml スプレー付き アクアミカコート膜を傷めないメンテナンスコンディショナー
パージ用窒素スプレー 5L 入りスプレー 使いかけのアクアミカの白化を防ぐ

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