決算レビュー

  • 2024年9月期
    第4四半期
  • 2024年9月期
    第3四半期
  • 2024年9月期
    第2四半期
  • 2024年9月期
    第1四半期

当連結会計年度における世界経済は、ロシアのウクライナ侵攻および中東情勢の不安定化、欧米におけるインフレ鈍化およびそれに伴う金融政策の転換、また中国における不動産市場の停滞などから先行きへの懸念が払拭されず、不透明な状況が継続しました。
当社グループが展開する地域を概観しますと、米国では、個人消費や設備投資を中心に景気は回復しました。アセアンでは、個人消費が拡大し景気は堅調に推移しました。一方で、中国では、消費や不動産などを中心に景況感は悪化しました。
日本では、原材料やエネルギーコスト上昇分の価格転嫁によるインフレ傾向がみられるものの、内需の活性化や円安の影響によるインバウンド需要の回復などで、企業収益の改善とともに景気は回復基調となりました。

このような事業環境のもと当社グループでは、2023年11月に公表した長期経営計画「SANYO VISION 2028」に沿って「収益基盤の強化」、「企業体質の改善」を推進し、高付加価値のビジネスを追求・深化し、新規投資を通じて、既存事業の強化に加え、新規ビジネスの開発、グローバル展開の更なる加速などに継続して取り組み、連結経営体制の強化に努めてまいりました。

新規投資としては、木質バイオマス案件として、東北電力㈱および当社を含む4社で「横手湯沢フォレストサイクル㈱」に出資しました。また、新会社「北の森グリーンエナジー㈱」に出資した上、北海道バイオマスエネルギー㈱と事業譲渡契約を締結し、日本最大級の規模で運営していた木質バイオマスガス化発電事業を承継することとしました。これらの取り組みを通じ、地域の森林資源を活用した林業の振興と地域の活性化、脱炭素化の取り組みを推進してまいります。
次世代分野への新規投資としては、当社主力事業である素材分野での新たなパートナーとして「Polymerize Pte.Ltd.(シンガポール)」との国内代理店契約締結および出資を行い、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)のクラウドプラットフォームの日本市場導入および拡販を推進しました。同社製品の提供を通じて、機械学習技術による材料開発の効率性向上や実験データの属人化解消を行い、日本の素材産業の国際競争力強化や研究・製造の効率化に貢献してまいります。

グローバル展開については、ドイツのミュンヘンにSanyo Trading Europe GmbHを設立し、2023年11月から営業を開始しました。これにより、環境先進国であり、欧州自動車産業が多く、スタートアップ企業の集積地であるドイツを中心に、自動車、新素材、情報通信技術、環境技術など、欧州が最先端を走る分野に注力し、情報収集および欧州発案件の獲得に向けた新規ビジネスの営業、販路拡大を推進してまいります。
連結経営体制の強化として、今後高い成長が見込まれる事業領域での更なる成長を加速させるため、2つの事業室を新設しました。バイオフロンティア事業室は、ライフサイエンス事業部傘下のバイオテクノロジー関連事業を行う㈱スクラム及びKOTAIバイオテクノロジーズ㈱を傘下に移管しました。エネルギーソリューション事業室は、グリーンテクノロジー事業部傘下の資源開発関連事業を行うコスモス商事㈱を傘下に移管しました。これにより、市場動向の的確な分析と当社グループ一体での迅速な意思決定を可能とし、新たなビジネス機会の発掘・開拓と果実化を進めてまいります。

この結果、当連結会計年度の売上高は129,263百万円(前連結会計年度比7.2%増)、営業利益は7,072百万円(同8.4%増)、経常利益は7,905百万円(同11.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,207百万円(同8.8%増)となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。
①化成品
ゴム関連商品は、国内向け原材料需要の好調継続に加え、円安進行による輸入品の販売価格見直しや高付加価値商材の副資材の販売増加で、売上、利益ともに堅調に推移しました。
化学品関連商品は、主力商材が好調に推移したことや、円安の影響などで高騰した仕入価格への価格見直しが進み、売上、利益ともに好調に推移しました。
ライフサイエンス関連商品は主力商材の放熱製品や界面活性剤が好調なことや、円安を背景とした電材の輸出伸長により、売上、利益ともに堅調に推移しました。
この結果、化成品の売上高は40,865百万円(前連結会計年度比6.7%増)、営業利益は2,606百万円(同19.2%増)となりました。

②機械資材
産業資材関連商品は、日系自動車メーカー認証不正問題による生産台数調整の影響は一部ありつつも、日系自動車メーカーの生産好調により売上・利益ともに堅調に推移しました。
グリーンテクノロジー関連商品(旧機械・環境関連商品)は、飼料加工機器の本体納入および関連消耗品販売が堅調となりました。木質バイオマス関連事業は、大型案件の計上があり、売上、利益ともに好転しました。
科学機器関連商品は、仕入価格の上昇や円安の影響を受けて売上、利益ともに減少しました。
コスモス商事㈱が取扱う資源開発関連商品は、地熱関連機材や石油・ガス関連機材が低調となりましたが、海洋開発分野が好調に推移しました。㈱ワイピーテックが取扱う機能性飼料原料は主力商品の需要が弱含み、利益は減少しました。㈱スクラムが取扱うバイオ関連機器は遺伝子解析関連を中心に好調に推移しました。
この結果、機械資材の売上高は51,855百万円(前連結会計年度比10.2%増)、営業利益は4,583百万円(同3.0%増)となりました。

③海外現地法人
Sanyo Corporation of Americaは、高機能性樹脂の販売単価下落により、売上は減少しましたが、フィルム関連や自動車関連が堅調で利益は増加しました。三洋物産貿易(上海)有限公司は、中国系自動車メーカーの台頭や景気減速の影響を受けた日系自動車メーカーの減産影響により売上、利益ともに減少しました。Sanyo Trading Asia Co., Ltd.(タイ)は、自動車関連が好調で売上、利益ともに増加しました。Sun Phoenix Mexico, S.A. de C.V.は、日系自動車メーカーの好調を受けたゴム関連と自動車関連が好調で売上、利益ともに増加しました。Sanyo Trading India Private Limitedは、ゴム関連、自動車関連が堅調で売上、利益ともに横這いでした。Sanyo Trading (Viet Nam) Co., Ltd.は、掘削資材の新規立ち上げや化学品関連、ゴム関連が好調で黒字に転換しました。PT. Sanyo Trading Indonesiaは、ゴム関連は堅調の一方で、化学品が低調で、利益は減少しました。
この結果、海外現地法人の売上高は35,050百万円(前連結会計年度比3.2%増)、営業利益は1,748百万円(同35.7%増)となりました。

当第3四半期連結累計期間における我が国経済の景気はこのところ足踏みもみられますが、緩やかに回復しています。世界経済は、一部の地域において弱さがみられるものの、持ち直しています。当社グループがビジネスを展開する 地域別に概観すると、米国では、先行きについては景気拡大が続くことが期待されていますが、物価上昇率の下げ止まりに伴う影響による下振れリスクに留意する必要があります。中国では、政策効果により供給の増加がみられるものの、景気は足踏み状態となっています。その他アジア各国の景気はおおむね緩やかに回復しています。
このような環境下、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、95,946百万円(前年同四半期比6.4%増)となり、営業利益は5,877百万円(前年同四半期比13.1%増)、経常利益は7,293百万円(前年同四半期比30.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,722百万円(前年同四半期比27.5%増)となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。
①化成品
ゴム関連商品は、自動車の国内生産好調により原材料需要は回復傾向にあるものの、売上は減少しました。他方、輸入品の販売価格見直しや高付加価値商材の副資材の販売増加で、利益は堅調に推移しました。
化学品関連商品は、主力商材の好調や仕入価格高騰を反映した価格見直しによる利益率の改善などが進み、売上、利益ともに好調に推移しました。
ライフサイエンス関連商品は、主力商材の電材や界面活性剤などが好調なことや、新規商売の掘削資材が継続して好調となり、売上、利益ともに堅調に推移しました。
この結果、売上高は30,642百万円(前年同四半期比4.7%増)、セグメント利益(営業利益)は2,043百万円(前年同四半期比22.5%増)となりました。

②機械資材
産業資材関連商品は、日系自動車メーカーの生産好調により売上は好調に推移したものの、競争環境変化が利益に影響しました。
グリーンテクノロジー関連商品(旧機械・環境関連商品)は、飼料加工機器の本体納入および関連消耗品販売が堅調となり、好転しました。木質バイオマス関連事業は、大型案件の受注がありましたが本体案件の計上はなく、売上、利益ともに減少しました。
科学機器関連商品は、メーカーの値上げなど販売価格高騰による受注減少や円安の影響で売上、利益ともに減少しました。
コスモス商事㈱が取扱う資源開発関連商品は、海洋開発分野や石油・ガス関連機材が好調に推移したほか、地熱関連機材は閑散期が明け復調しました。㈱ワイピーテックが取扱う機能性飼料原料は主力商品の需要が弱含み、利益は減少しました。㈱スクラムが取扱うバイオ分野の研究支援機器は、遺伝子解析関連を中心に好調に推移しました。
この結果、売上高は37,803百万円(前年同四半期比8.7%増)、セグメント利益(営業利益)は3,620百万円(前年同四半期比1.4%増)となりました。

③海外現地法人
Sanyo Corporation of Americaは、高機能性樹脂の販売単価下落により、売上は減少しましたが、フィルム関連や自動車関連が堅調で利益は増加しました。三洋物産貿易(上海)有限公司は、景気減速の影響を受け、業績は低調でした。Sanyo Trading Asia Co., Ltd.(タイ)は、自動車関連が好調でした。Sun Phoenix Mexico, S.A. de C.V.は、自動車関連とゴム関連が好調でした。Sanyo Trading India Private Limitedは、自動車関連が好調でした。Sanyo Trading (Viet Nam) Co., Ltd.は、掘削資材の新規立ち上げが業績に貢献しました。PT. Sanyo Trading Indonesiaは、ゴム関連で一時的な需要増があり好調でした。
この結果、売上高は26,353百万円(前年同四半期比4.1%増)、セグメント利益(営業利益)は1,461百万円(前年同四半期比46.8%増)となりました。

当第2四半期連結累計期間における我が国経済の景気はこのところ足踏みもみられますが、緩やかに回復しています。世界経済は、一部の地域において弱さがみられるものの、持ち直しています。当社グループがビジネスを展開する地域別に概観すると、米国では、先行きについては、景気拡大が続くことが期待されていますが、金融引締めに伴う影響による下振れリスクに留意する必要があります。中国では、景気は政策効果により持ち直しの兆しがみられますが、不動産市場の停滞や物価の下落が続くことによる影響等に留意する必要があります。その他アジア各国の景気はおおむね緩やかに回復しています。
このような環境下、当社グループの当第2四半期連結累計期間の売上高は、64,928百万円(前年同四半期比4.5%増)となり、営業利益は4,317百万円(前年同四半期比13.9%増)、経常利益は4,935百万円(前年同四半期比31.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,146百万円(前年同四半期比24.8%増)となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。
①化成品
ゴム関連商品は、自動車の国内生産好調で原材料需要は回復基調を継続するものの、数量は前期に及ばす、売上は前期比減少しました。他方、高付加価値商材の副資材の販売は増加し、利益は前期比並みとなりました。
化学品関連商品は、主力商材の好調や新規商材の取扱開始、仕入価格高騰を反映した価格見直しによる利益率の改善などが進み、売上、利益ともに前期比で好調に推移しました。
ライフサイエンス関連商品は、電材などの主力商材が好調、掘削資材での新規商売の開始もあり、売上、利益ともに堅調に推移しました。
この結果、売上高は19,879百万円(前年同四半期比0.5%減)、営業利益は1,255百万円(前年同四半期比8.5%増)となりました。

②機械資材
産業資材関連商品は、日系自動車メーカーの生産好調により売上は好調に推移したものの、競争環境変化が利益に影響しました。
グリーンテクノロジー関連商品(旧機械・環境関連商品)は、飼料加工機器の本体納入が進捗し、関連消耗品販売も堅調となり、前期比で好転しました。木質バイオマス関連事業は、本体案件の計上はありませんでしたが、大型案件の受注がありました。
科学機器関連商品は、メーカーの値上げなど販売価格高騰による受注減少や円安の影響で売上、利益ともに前期比減少しました。
コスモス商事㈱が取扱う資源開発関連商品は、地熱関連機材が掘削閑散期の影響で苦戦しましたが、石油・ガス関連機材や海洋開発分野は堅調でした。㈱ワイピーテックが取扱う機能性飼料原料は主力商品の需要が弱含み、売上、利益ともに前期並みとなりました。㈱スクラムが取扱うバイオ分野の研究支援機器は、売上繁忙期を迎え、遺伝子解析関連を中心に前期比で好調に推移しました。
この結果、売上高は26,565百万円(前年同四半期比10.2%増)、営業利益は2,759百万円(前年同四半期比5.1%増)となりました。

③海外現地法人
Sanyo Corporation of Americaは、高機能性樹脂の販売単価下落により、売上は前期比減少しましたが、フィルム関連や自動車関連が堅調で利益は前期比増加しました。三洋物産貿易(上海)有限公司は、景気減速の影響を受け、業績は前期比で低調でした。Sanyo Trading Asia Co., Ltd.(タイ)は、自動車関連が好調でした。Sun Phoenix Mexico, S.A. de C.V.は、自動車関連とゴム関連が好調でした。
Sanyo Trading India Private Limitedは、自動車関連が好調でした。Sanyo Trading (Viet Nam) Co., Ltd.は、ゴム関連が好調で、掘削資材の新規立ち上げもあり復調しました。PT. Sanyo Trading Indonesiaは、ゴム関連が不調でした。 この結果、売上高は17,704百万円(前年同四半期比0.6%増)、営業利益は1,133百万円(前年同四半期比59.9%増)となりました。

当第1四半期連結累計期間における世界経済は、各国の金融引き締め、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢悪化など地政学的リスクの高まり、中国経済の回復の遅れ等、依然として先行き不透明な状況が続いていますが、足もとでは緩やかな景気回復が進んでいます。
当社グループがビジネスを展開する地域別に概観すると、米国では、個人消費・住宅投資が堅調に推移するなか、景況感が改善しています。中国では、低調な不動産投資や高止まりする失業率等を懸念材料として景況感が悪化しているものの、その他アジア各国の景気は概ね緩やかに回復しています。日本では、インフレ率の高止まりがみられるものの、堅調な個人消費・自動車生産等を背景に、景気は回復基調にあります。
このような環境下、当社グループの当第1四半期連結累計期間の売上高は33,075百万円(前年同四半期比5.3%増)、営業利益は2,305百万円(前年同四半期比17.6%増)、経常利益は2,233百万円(前年同四半期比34.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,373百万円(前年同四半期比14.5%増)となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。
①化成品
ゴム関連商品は、自動車の国内生産好転により、顧客の部品在庫消化が進み、原材料需要は回復傾向にあるものの、円安による仕入価格高騰の影響もあり、売上、利益ともに前期比減少しました。
化学品関連商品は、主力商材の好調や新規商材の取扱開始、価格見直しによる利益率の改善などが進み、売上、利益ともに好調に推移しました。
ライフサイエンス関連商品は、電材、フィルム、香料などの主力商材が好調で、売上、利益ともに堅調に推移しました。
この結果、化成品の売上高は9,964百万円(前年同四半期比2.5%減)、営業利益は638百万円(前年同四半期比8.7%増)となりました。

②機械資材
産業資材関連商品は、日系自動車メーカーの生産回復により売上、利益ともに堅調に推移しました。
グリーンテクノロジー関連商品(旧 機械・環境関連商品)は、木質バイオマス関連事業が本体案件の受注なく不調でしたが、飼料加工機器関連における消耗品販売の営業推進や大型設備投資案件の受注などがあり、前期比で好転しました。
科学機器関連商品は、メーカーの値上げなど販売価格高騰による受注減少や円安の影響で売上、利益ともに低調に推移しました。
コスモス商事㈱が取扱う資源開発関連商品は、地熱関連機材が好調を継続し、石油・ガス関連機材や海洋開発分野も堅調でした。㈱ワイピーテックが取扱う機能性飼料原料は主力商品の販売が好調でした。㈱スクラムが取扱うバイオ関連機器は遺伝子解析関連を中心に好調に推移しました。
この結果、機械資材の売上高は13,408百万円(前年同四半期比16.2%増)、営業利益は1,464百万円(前年同四半期比10.6%増)となりました。

③海外現地法人
Sanyo Corporation of Americaは、フィルム関連や自動車関連が好調でした。三洋物産貿易(上海)有限公司は、景気減速の影響を受け、業績は昨年比で低調でした。Sanyo Trading Asia Co., Ltd.(タイ)は、自動車関連が好調でした。Sun Phoenix Mexico, S.A. de C.V.は、自動車関連が好調でした。Sanyo Trading India Private Limitedは、ゴム関連が不調でした。Sanyo Trading (Viet Nam) Co., Ltd.は、景気の落込みの影響を受け、低調でした。PT. Sanyo Trading Indonesiaは、ゴム関連が不調でした。
この結果、海外現地法人の売上高は9,276百万円(前年同四半期比2.7%減)、営業利益は695百万円(前年同四半期比71.6%増)となりました。