決算レビュー

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  • 2023年9月期
    第2四半期

当第1四半期連結累計期間における世界経済は、各国の金融引き締め、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢悪化など地政学的リスクの高まり、中国経済の回復の遅れ等、依然として先行き不透明な状況が続いていますが、足もとでは緩やかな景気回復が進んでいます。
当社グループがビジネスを展開する地域別に概観すると、米国では、個人消費・住宅投資が堅調に推移するなか、景況感が改善しています。中国では、低調な不動産投資や高止まりする失業率等を懸念材料として景況感が悪化しているものの、その他アジア各国の景気は概ね緩やかに回復しています。日本では、インフレ率の高止まりがみられるものの、堅調な個人消費・自動車生産等を背景に、景気は回復基調にあります。
このような環境下、当社グループの当第1四半期連結累計期間の売上高は33,075百万円(前年同四半期比5.3%増)、営業利益は2,305百万円(前年同四半期比17.6%増)、経常利益は2,233百万円(前年同四半期比34.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,373百万円(前年同四半期比14.5%増)となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。

①化成品
ゴム関連商品は、自動車の国内生産好転により、顧客の部品在庫消化が進み、原材料需要は回復傾向にあるものの、円安による仕入価格高騰の影響もあり、売上、利益ともに前期比減少しました。
化学品関連商品は、主力商材の好調や新規商材の取扱開始、価格見直しによる利益率の改善などが進み、売上、利益ともに好調に推移しました。
ライフサイエンス関連商品は、電材、フィルム、香料などの主力商材が好調で、売上、利益ともに堅調に推移しました。
この結果、化成品の売上高は9,964百万円(前年同四半期比2.5%減)、営業利益は638百万円(前年同四半期比8.7%増)となりました。

②機械資材
産業資材関連商品は、日系自動車メーカーの生産回復により売上、利益ともに堅調に推移しました。
グリーンテクノロジー関連商品(旧 機械・環境関連商品)は、木質バイオマス関連事業が本体案件の受注なく不調でしたが、飼料加工機器関連における消耗品販売の営業推進や大型設備投資案件の受注などがあり、前期比で好転しました。
科学機器関連商品は、メーカーの値上げなど販売価格高騰による受注減少や円安の影響で売上、利益ともに低調に推移しました。
コスモス商事㈱が取扱う資源開発関連商品は、地熱関連機材が好調を継続し、石油・ガス関連機材や海洋開発分野も堅調でした。㈱ワイピーテックが取扱う機能性飼料原料は主力商品の販売が好調でした。㈱スクラムが取扱うバイオ関連機器は遺伝子解析関連を中心に好調に推移しました。
この結果、機械資材の売上高は13,408百万円(前年同四半期比16.2%増)、営業利益は1,464百万円(前年同四半期比10.6%増)となりました。

③海外現地法人
Sanyo Corporation of Americaは、フィルム関連や自動車関連が好調でした。三洋物産貿易(上海)有限公司は、景気減速の影響を受け、業績は昨年比で低調でした。Sanyo Trading Asia Co., Ltd.(タイ)は、自動車関連が好調でした。Sun Phoenix Mexico, S.A. de C.V.は、自動車関連が好調でした。Sanyo Trading India Private Limitedは、ゴム関連が不調でした。Sanyo Trading (Viet Nam) Co., Ltd.は、景気の落込みの影響を受け、低調でした。PT. Sanyo Trading Indonesiaは、ゴム関連が不調でした。
この結果、海外現地法人の売上高は9,276百万円(前年同四半期比2.7%減)、営業利益は695百万円(前年同四半期比71.6%増)となりました。

2023年9月期通期連結会計年度における世界経済は、コロナ禍からの経済活動の再開により景気回復が進んでいる一方、長期化するウクライナ情勢の悪化に伴う地政学的リスクの高まり、資源価格の高騰、金利上昇による世界経済の減速が懸念される状況となっています。当社グループがビジネスを展開する地域を概観しますと、米国では、インフレの影響による企業のコスト増と、インフレ抑制のための金融引き締めにより、景気は緩やかに減速しました。中国では、昨年末のゼロコロナ政策解除以降、設備投資や個人消費が回復したものの、低調な不動産投資や高止まりする失業率等が懸念材料となり、景況感は悪化しました。アセアンでは、米国の利上げによる通貨安に伴って輸入物価が上昇するといったマイナス要因はありますが、個人消費が拡大し景気は堅調に推移しています。日本では、原材料やエネルギーコスト上昇分の価格転嫁によるインフレ傾向がみられるものの、内需の活性化やコロナ制限の緩和及び円安の影響によるインバウンド需要の回復等、景気は回復基調にあります。
このような事業環境のもと当社グループでは、最終年度を迎えた長期経営計画「VISION2023」に沿って、強みを活かした付加価値の高いビジネスを追求・深化させ、既存事業の強化に加え、新規ビジネスの開発、グローバル展開の更なる加速、新規投資の推進などに継続して取り組み、グループを挙げて業績の向上に努めてまいりました。
新規投資としては、DX(デジタルトランスフォーメーション)が益々進展する中、ビジネス環境の変化や顧客のデジタル化ニーズ及びグループ内のデジタル化への対応を迅速に進めるため、㈱コスモ・コンピューティングシステムをグループ会社化することで、システム開発を内製化し、ビジネスにより近いところで迅速にデジタルサービスを提供する体制を構築しました。また、KOTAIバイオテクノロジーズ㈱(以下「KOTAI」)をグループ会社化することで、2022年2月にグループ会社化した㈱スクラムによるバイオ研究支援機器・試薬の販売に加え、KOTAIによる遺伝子解析受託サービスから創薬研究支援までを行うことにより、バイオ関連事業を強化しました。
新規事業開発を担う事業開発室の取組みとしては、太陽光を利用した冷却効果に基づくコーティングフィルムを研究開発するイスラエルのスタートアップ企業SOLCOLD LTDに投資を行ったほか、スタートアップ企業との交流及び最先端技術の情報収集、並びにシナジー効果を追求し、注力領域であるファインケミカル、ライフサイエンス、サステナビリティ分野における次世代事業創出に取り組むため、ユニバーサルマテリアルズインキュベーター㈱が設立した UMI3号脱炭素投資事業有限責任組合に出資を行いました。
この結果、当連結会計年度の売上高は122,596百万円(前連結会計年度比10.2%増)、営業利益は6,740百万円(同26.7%増)、経常利益は7,149百万円(同13.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,830百万円(同12.4%増)となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。

①化成品
ゴム関連商品は、販売単価上昇や戦略商品の拡販などで売上は前期比増加したものの、円安による仕入価格高騰や販売先の在庫調整などで利益は減少しました。
化学品関連商品は、新規取扱商材の拡販などが進み、売上は前期比増加しましたが、市場の需要鈍化や円安による仕入価格高騰の影響を受け、利益は前期並みとなりました。
ライフサイエンス関連商品は、香料、染料などが好調を維持したものの、電材、機能性食品原料などが低調でした。
この結果、化成品の売上高は38,298百万円(前連結会計年度比1.5%増)、営業利益は2,185百万円(同12.9%減)となりました。

②機械資材
産業資材関連商品は、日系自動車メーカーの生産回復が進んだことで、売上、利益ともに好調に推移しました。
機械・環境関連商品は、大型設備投資が控えられた影響などで低調でしたが、保守・部品サービスの強化に努めました。
科学機器関連商品は、耐候性・腐食試験機、粒子分散測定機器などが堅調に推移しました。
コスモス商事㈱が取扱う資源開発関連商品は、地熱関連機材が好調で、石油・ガス関連機材も堅調でした。㈱スクラムが取扱うバイオ関連機器は好調に推移しました。㈱ワイピーテックが取扱う機能性飼料原料は復調しました。なお、当期より新東洋機械工業㈱を連結の範囲に含めています。
この結果、機械資材の売上高は47,044百万円(前連結会計年度比29.5%増)、営業利益は4,450百万円(同40.3%増)となりました。

③海外現地法人
Sanyo Corporation of Americaは、フィルム関連は堅調でしたが、自動車関連は低調でした。三洋物産貿易(上海)有限公司は、リチウムイオン電池関連は堅調に推移したものの、自動車関連は低調でした。Sanyo Trading Asia Co.,Ltd.(タイ)は、自動車関連が好調でした。Sun Phoenix Mexico, S.A. de C.V.は、自動車関連が堅調でした。SanyoTrading India Private Limitedは、ゴム関連が好調でした。Sanyo Trading (Viet Nam) Co., Ltd.は、景気の落込みの影響を受け、低調でした。PT. Sanyo Trading Indonesiaは、ゴム関連が好調でした。
この結果、海外現地法人の売上高は36,039百万円(前連結会計年度比2.6%減)、営業利益は1,347百万円(同9.0%増)となりました。

2023年9月期第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の法的位置づけが季節性インフルエン ザと同等の分類へと移行されたことで経済活動の本格的な再開が加速した一方、エネルギーや原材料価格高騰の影響の 継続、供給面での制約、円安・ドル高、金融資本市場の変動等により、景気の先行きについては依然として不透明な状況が続いております。世界経済は、中国経済の回復の遅れ、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、原料やエネルギー コストの高騰、インフレの継続などを背景に各国で景気後退懸念が広がり、先行き不透明な状況が続きました。
このような環境下、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、91,433百万円(前年同四半期比15.3% 増)となり、営業利益は5,336百万円(前年同四半期比26.8%増)、経常利益は5,635百万円(前年同四半期比10.9% 増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,732百万円(前年同四半期比3.5%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

①化成品
ゴム関連商品は、昨年来の販売単価上昇で、売上は前年同四半期比増を維持するものの、利益は円安などによる欧米 からの輸入品の仕入れ価格高騰の影響を受け、減少しました。
化学品関連商品は、年初に新たに立ち上がった新規取扱商材の貢献もあり、売上は前年同四半期比増となりましたが、 円安による仕入れ価格高騰により、利益は前年同四半期並みとなりました。
ライフサイエンス関連商品は香料、染料な ど輸入ビジネスは好調を維持し、また、リチウムイオン電池用関連部材は回復傾向にありますが、主力の電材、機能性 食品原料などの輸出ビジネスが苦戦し、売上、利益ともに前年同四半期比減となりました。
この結果、売上高は29,279百万円(前年同四半期比5.2%増)、セグメント利益(営業利益)は1,667百万円(前年同 四半期比11.5%減)となりました。

②機械資材
産業資材関連商品は、日系自動車メーカーの生産回復が進み、前年同四半期比で売上、利益ともに好調に推移しました。
機械・環境関連商品は、飼料加工機器関連については、消耗品は値上げの実施により堅調に推移しましたが、飼料業界全体の不振により、大型設備投資が控えられた影響で本体案件の計上が少なく苦戦しました。木質バイオマス関連事業は本体物件の計上なく、苦戦が続いていますが、保守・部品サービスの営業強化を進めました。
科学機器関連商品については、例年低調となる4月は想定を超える本体納入があったものの、その後は入荷遅延等で本体納入が想定通り に進まず不調でした。
コスモス商事㈱が取扱う資源開発関連商品は、地熱関連機材が堅調でした。㈱スクラムが取扱うバイオ関連機器は、引き続き堅調に推移し、前年同四半期比で利益貢献しました。㈱ワイピーテックが取扱う機能性飼料原料は原材料価格 の落ち着きから前年同四半期比で好調でした。
この結果、売上高は34,766百万円(前年同四半期比37.7%増)、セグメント利益(営業利益)は3,570百万円(前年 同四半期比71.4%増)となりました。

③海外現地法人
Sanyo Corporation of Americaは、自動車関連商材は低調でしたが、ゴムおよびフィルム関連商材に堅調な需要があ り、業績は前年同四半期比増となりました。三洋物産貿易(上海)有限公司は、リチウムイオン電池用関連部材などの 需要は回復基調にあるものの、中国国内の景気低迷の影響を受け業績は前年同四半期比減となりました。Sanyo Trading Asia Co., Ltd.(タイ)は、自動車関連商材は特需により伸長しましたが、その他の商材においては販売費の 増加等の影響を受け、業績は前年同四半期並みとなりました。Sun Phoenix Mexico, S.A. de C.V.は、メキシコ国内の 自動車産業の復調による受注増もありましたが、為替差損の影響等で業績は前年同四半期比減となりました。Sanyo Trading India Private Limitedは、ゴム関連商材において既存の事業が順調に推移し、業績は好調でした。Sanyo Trading (Viet Nam) Co., Ltd.は、ベトナム工業全体の落込みの影響を受け、業績は低調でした。PT.Sanyo Trading Indonesiaは、自動車関連商材において特定の取引先向け商品の販売終了が影響し、業績は低迷しました。
この結果、売上高は26,558百万円(前年同四半期比1.9%増)、セグメント利益(営業利益)は1,030百万円(前年同 四半期比5.6%減)となりました。

2023年9月期第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する政策的規制緩和により、社会活動の正常化に向けた動きが見られるものの、世界的なインフレによる各国の金融政策の引き締め、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中国経済の回復の遅れ、為替の急激な変動など、依然として先行き不透明な状況が続いています。当社のビジネスにおいても、原材料の高騰や供給不足による仕入価格の上昇、および円安による輸入在庫価格の上昇などの影響が出ています。一方で、当社スローガンである「最適解への挑戦」の通り、環境配慮型の新規商材等の販売や脱炭素分野への技術・事業への投資を進めるなど、未来に向けた取り組みも加速させています。
このような環境下、当社グループの当第2四半期連結累計期間の売上高は、61,918百万円(前年同四半期比22.5%増)となり、営業利益は3,790百万円(前年同四半期比28.7%増)、経常利益は3,751百万円(前年同四半期比2.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,517百万円(前年同四半期比7.0%減)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

①化成品
ゴム関連商品は、合成ゴムや配合剤で好調を継続したものの、欧米からの輸入品の仕入価格高騰や一部商材の一時的な不調による影響を受けました。
化学品関連商品は、他社から移管を受けた新規取扱商材が1月から立ち上がるなど、売上は順調に推移しましたが、主力商材の一部が円安による仕入価格高騰の影響を受け、利益は前年同四半期並みとなりました。ライフサイエンス関連商品は主力の電材及び香料、染料は好調でしたが、中国経済の景況感悪化を受け、リチウムイオン電池用関連部材は苦戦しました。
この結果、売上高は19,975百万円(前年同四半期比9.8%増)、セグメント利益(営業利益)は1,157百万円(前年同四半期比7.2%減)となりました。
②機械資材
産業資材関連商品は、半導体・部品不足等に起因する日系自動車メーカーの減産の影響が一服し、堅調に推移しました。
機械・環境関連商品は、飼料加工機器関連では消耗品は堅調に推移しましたが、本体案件の計上が少なく苦戦しました。木質バイオマス関連事業も本体物件の計上なく業績は低調でした。
科学機器関連商品は、大型案件納入と3月の想定を超える本体納入が利益貢献しました。2022年2月に株式を譲り受けた㈱スクラムが取扱うバイオ関連機器は堅調に推移し、前年同四半期比で利益貢献しました。
コスモス商事㈱が取扱う資源開発関連商品は地熱開発機材が好調を継続し、石油・ガス関連機材も好調でした。また、海洋開発分野では洋上風力発電関連機材が伸長しました。㈱ワイピーテックが取扱う機能性飼料原料は主力製品の原材料の価格高騰が一服したことから、利益率が回復し復調しました。
この結果、売上高は24,103百万円(前年同四半期比43.9%増)、セグメント利益(営業利益)は2,625百万円(前年同四半期比62.8%増)となりました。

③海外現地法人
Sanyo Corporation of Americaは、自動車生産台数減少の影響を一部受けたものの、化成品商材は堅調な需要および輸送コストの低下などにより利益に貢献しました。三洋物産貿易(上海)有限公司は、中国国内の景気低迷の影響を受け低調でした。Sanyo Trading Asia Co., Ltd.(タイ)は、自動車関連商材は特需により伸長しましたが、その他の商材においては販売費の増加等の影響受け、業績は前年同期と横ばいとなりました。Sun Phoenix Mexico, S.A. de C.V.は、為替差損の影響等で業績は低調に推移しました。Sanyo Trading India Private Limitedは、為替差損の影響を受けたものの、業績は前年同期から微増となりました。Sanyo Trading (Viet Nam) Co., Ltd.は、遮熱塗料などの販売は好調だったものの、ベトナム工業全体の落込みの影響を受け、業績は低調でした。
この結果、売上高は17,367百万円(前年同四半期比11.9%増)、セグメント利益(営業利益)は701百万円(前年同四半期比2.5%減)となりました。