決算レビュー

  • 2025年9月期
    通期
  • 2025年9月期
    第3四半期
  • 2025年9月期
    第2四半期
  • 2025年9月期
    第1四半期

当連結会計年度における世界経済は、米国の通商・関税政策をはじめとする政策動向や各国の金融政策による資本市場の変動、中東情勢の緊迫化をはじめとした地政学リスクの高まりなど、複数の不確実要因の影響を受け、依然として先行きが不透明な状況が続きました。
当社グループの事業展開地域を概観すると、米国では関税政策を巡る不確実性が経済活動に足かせとなり、設備投資は緩やかに増加しているものの、個人消費の伸びは鈍化し、景気の先行きに変調の兆しが見られました。中国では政府による経済政策に一定の効果がみられるものの、不動産市場の停滞が続き、景気は足踏み状態となっています。アセアンでは堅調な個人消費と輸出の拡大が景気を支え、安定的な成長が続いています。日本では、米国の通商・関税政策による影響が企業収益に一部見られるものの、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が持ち直し、景気は緩やかに回復基調を示しました。

このような事業環境のもと当社グループでは、2023年11月に公表した長期経営計画「SANYO VISION 2028」に沿って「収益基盤の強化」、「企業体質の改善」を推進し、高付加価値のビジネスを追求・深化し、既存事業の強化に加え、新規ビジネスの開発、グローバル展開の更なる強化、新規投資の推進などに継続して取り組み、連結経営体制の強化に努めてまいりました。

既存事業の強化では、ゴム関連商品、化学品関連商品、マテリアルソリューション関連商品で基幹商材の拡販を進めるとともに、横手湯沢フォレストサイクル㈱を始めとした木質バイオマス関連事業を着実に推進しました。また科学機器輸入販売事業の一部をグループ会社である三洋テクノス㈱へ譲渡することで、収益構造の強化と業務効率の向上を図ります。新規事業の開発においては、自動車ベンチマーキング事業で培った知見を活かしてEVバッテリー診断機を発売し、EVの安全で利便性の高い保守を実現するとともに、中古EVの流通活性化や循環型社会の実現に貢献してまいります。さらに、コスモス商事㈱においては、全国で進む洋上風力発電に関連する多様な機器の提供を進め、着床式から浮体式への移行を見据えた将来の収益基盤を構築いたしました。加えて、ワイピーテック㈱においては、農林水産省から新たな機能性飼料原料の指定登録を受け、国内市場への導入を通じて来期以降の収益貢献が期待されます。

また、海外事業の一層の強化を図るため、海外統括役員を新たに配置し、戦略立案や事業促進、部門横断的なマネジメント体制を整備いたしました。さらに、韓国ソウルに三洋貿易㈱韓国支店を設立し、今後成長が見込まれる同国の電子材料市場において営業基盤を確立し、商材獲得、販路拡大、情報収集を積極的に進めていきます。新規投資としては、シンガポール法人EMAS SUPPLIES & SERVICES PTE LTDの全株式の取得を決議し、モビリティ事業を自動車アフターマーケット市場へ拡大することで、バリューチェーンを広げると共に、同社の販売ネットワークを活用することで、モビリティ事業のグローバル展開を加速させるとともに、連結経営体制の一層の強化を進めてまいります。

この結果、当連結会計年度の売上高は132,703百万円(前連結会計年度比2.7%増)、営業利益は6,430百万円(前連結会計年度比9.1%減)、経常利益は6,879百万円(前連結会計年度比13.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,460百万円(前連結会計年度比14.3%減)となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分及び名称を変更しています。詳細は、「3.連結財務諸表及び主な注記(5)連結財務諸表に関する注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。

① ファインケミカル
ゴム関連商品は、国内向け原材料需要と海外グループ会社の業績伸長で売上は好調でしたが、一部輸出の不調を受け利益は減少しました。  化学品関連商品は、一部海外グループ会社の業績は好調でしたが、国内主力商材の需要の弱含みにより、売上、利益ともに減少しました。
この結果、ファインケミカルの売上高は42,384百万円(前年同期比0.9%減)、営業利益は2,413百万円(同11.1%減)となりました。

② インダストリアル・プロダクツ
モビリティ関連商品は、中国の景気減速や為替変動の影響を受けて売上、利益ともに減少しました。
北米は、Sanyo Corporation of America、Sun Phoenix Mexico, S.A. de C.V.が売上、利益ともに好調でした。中国は、景気減速と競争激化による日系自動車メーカーの減産により、Sanyo Trading (Shanghai) Co., Ltd.の売上、利益がともに減少しました。アセアンは、販売価格の見直しによりSanyo Trading Asia Co., Ltd.(タイ)の利益が好調でした。
この結果、インダストリアル・プロダクツの売上高は36,812百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益は2,682百万円(同20.6%減)となりました。

③ サステナビリティ
グリーンテクノロジー関連商品は、飼料加工機器の関連消耗品販売が好調であったことや、木質バイオマス関連事業で大型案件を計上したことにより、売上、利益ともに好調でした。
コスモス商事㈱が取扱う資源開発関連商品は、海洋調査資機材関連を筆頭に海洋開発分野が業績を牽引し、地熱関連機材も好調でした。  この結果、サステナビリティの売上高は13,518百万円(前年同期比38.4%増)、営業利益は1,886百万円(同56.5%増)となりました。

④ ライフサイエンス
マテリアルソリューション関連商品は、電材の輸出や輸入ビジネスの基幹商材が伸長し、売上、利益ともに好調でした。科学機器関連商品は、需要の回復傾向により、売上、利益ともに堅調でした。
㈱ワイピーテックが取扱う機能性飼料原料は販売数量増により、売上が好調でした。㈱スクラムが取扱うバイオ関連機器は遺伝子解析関連機器の代理店契約終了の影響で不調でした。
この結果、ライフサイエンスの売上高は38,670百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は1,362百万円(同21.4%減)となりました。

当社グループの売上高は、98,807百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は5,532百万円(前年同期比5.9%減)、経常利益は6,037百万円(前年同期比17.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,569百万円(前年同期比3.2%減)となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分及び名称を変更しています。詳細は、「2.四半期連結財務諸表及び主な注記(3)四半期連結財務諸表に関する注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。

① ファインケミカル
ゴム関連商品は、国内向け原材料需要と一部海外グループ会社の業績伸長で売上は好調でしたが、一部輸出の不調を受け利益は減少しました。
化学品関連商品は、市況の影響を受けて主力商材の需要が弱含んでいることや、円安継続による輸入品仕入価格上昇により、売上、利益ともに減少しました。
この結果、ファインケミカルの売上高は32,280百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は1,971百万円(同5.1%減)となりました。

② インダストリアル・プロダクツモビリティ関連商品は、販売価格の見直しにより売上は堅調も、利益は為替変動の影響を受けて減少しました。
北米は、Sanyo Corporation of America、Sun Phoenix Mexico, S.A. de C.V.が売上、利益ともに好調でした。中国は、景気減速と競争激化による日系自動車メーカーの減産により、Sanyo Trading (Shanghai) Co., Ltd.の売上、利益がともに減少しました。アセアンは、販売価格見直しによりSanyo Trading Asia Co., Ltd.(タイ)の売上、利益がともに好調でした。
この結果、インダストリアル・プロダクツの売上高は27,980百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は2,288百万円(同16.6%減)となりました。

③ サステナビリティ
グリーンテクノロジー関連商品は、飼料加工機器の関連消耗品販売が好調であったことや、木質バイオマス関連事業で大型案件を計上したことにより、売上、利益ともに好調でした。
コスモス商事㈱が取扱う資源開発関連商品は、海洋調査資機材関連を筆頭に海洋開発分野が業績を牽引し、石油・ガス関連機材も好調でした。
この結果、サステナビリティの売上高は8,505百万円(前年同期比44.8%増)、営業利益は1,311百万円(同91.9%増)となりました。

④ ライフサイエンス
マテリアルソリューション関連商品は、電材の輸出好調が継続し、売上、利益ともに堅調でした。科学機器関連商品は、需要の弱含みや円安継続による輸入品仕入価格の上昇により、売上、利益ともに減少しました。
㈱ワイピーテックが取扱う機能性飼料原料は販売数量増により、売上が好調でした。㈱スクラムが取扱うバイオ関連機器は遺伝子解析関連機器の代理店契約終了の影響で不調でした。
この結果、ライフサイエンスの売上高は29,070百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は1,298百万円(同21.2%減)となりました。

当社グループの売上高は、68,129百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は4,104百万円(前年同期比4.9%減)、経常利益は4,410百万円(前年同期比10.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は3,451百万円(前年同期比9.7% 増)となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。
なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分及び名称を変更しています。詳細は、「2.中間連結財務諸表及び主な注記(4)中間連結財務諸表に関する注意事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。

① ファインケミカル
ゴム関連商品は、国内向け原材料需要の好調継続に加え、円安進行を受けた輸入品の販売価格見直しにより、売上、利益ともに好調でした。
化学品関連商品は、市況の影響を受けて主力商材の需要が弱含んでいることや、円安進行による輸入品仕入価格上昇により、売上、利益ともに減少しました。
この結果、ファインケミカルの売上高は21,741百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は1,386百万円(同4.3%増)となりました。

② インダストリアル・プロダクツ
モビリティ関連商品は、国内における自動車シート用本革の取り扱い終了の影響を受けたものの、販売価格の見直しや為替差益により、売上、利益ともに堅調でした。
北米は、Sanyo Corporation of America、Sun Phoenix Mexico, S.A. de C.V.の売上が好調でした。中国は、景気減 速と競争激化による日系自動車メーカーの減産により、Sanyo Trading (Shanghai) Co., Ltd.の売上、利益がともに減少しました。アセアンは、市況の影響を受けてSanyo Trading Asia Co., Ltd.(タイ)の売上、利益がともに減少しました。
この結果、インダストリアル・プロダクツの売上高は19,411百万円(前年同期比0.1%減)、営業利益は1,825百万円(同8.5%減)となりました。

③ サステナビリティ
グリーンテクノロジー関連商品は、飼料加工機器の関連消耗品販売が好調であったことや、木質バイオマス関連事業で大型案件を計上したことにより、売上、利益ともに好調でした。
コスモス商事㈱が取扱う資源開発関連商品は、海洋調査資機材関連を筆頭に海洋開発分野が業績を牽引し、地熱関連機材や石油・ガス関連機材も好調でした。
この結果、サステナビリティの売上高は6,347百万円(前年同期比69.2%増)、営業利益は873百万円(同96.8%増)となりました。

④ ライフサイエンス
ライフサイエンス関連商品は、円安を背景とした電材の輸出が増加し、マテリアルソリューション関連の売上、利益がともに堅調でした。科学機器関連商品は、需要の弱含みや円安進行による輸入品仕入価格の上昇により、売上、利益ともに減少しました。
㈱ワイピーテックが取扱う機能性飼料原料は販売数量増により、売上が好調でした。㈱スクラムが取扱うバイオ関連機器は遺伝子解析関連機器の代理店契約終了の影響で不調でした。
この結果、ライフサイエンスの売上高は20,025百万円(前年同期比0.4%減)、営業利益は1,007百万円(同28.0%減)となりました。

当第1四半期連結累計期間における世界経済は、ロシアのウクライナ侵攻および中東情勢の不安定化、欧米におけるインフレ鈍化およびそれに伴う金融政策の転換、また中国における不動産市場の停滞などから先行きへの懸念が払拭さ れず、不透明な状況が継続しました。
当社グループが展開する地域を概観しますと、米国では、個人消費や設備投資を中心に景気は拡大しています。アセアンでは、個人消費が拡大し景気は堅調に推移しました。一方で、中国では、政策効果により供給の増加がみられるものの、消費や不動産などを中心に景況感は足踏み状態となっています。
日本では、原材料やエネルギーコスト上昇分の価格転嫁によるインフレ傾向を背景に一部に足踏みがみられるものの、内需の活性化や円安の影響によるインバウンド需要の回復などで、企業収益の改善とともに景気は緩やかに回復基調となりました。
このような環境下、当社グループの当第1四半期連結累計期間の売上高は33,983百万円(前年同四半期比2.7%増)、営業利益は1,931百万円(前年同四半期比16.2%減)、経常利益は2,547百万円(前年同四半期比14.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,479百万円(前年同四半期比7.7%増)となりました。

セグメントの業績は以下のとおりです。
なお、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分及び名称を変更しています。詳細は、「2.四半期連結財務諸表及び主な注記(3)四半期連結財務諸表に関する注意事項(セグメント情報)」に記載のとおりです。

① ファインケミカル
ゴム関連商品は、国内向け原材料需要の好調継続に加え、円安進行を受けた輸入品の販売価格見直しで、売上、利益ともに好調でした。
化学品関連商品は、市況の影響を受けて主力商材の需要が弱含んでいることや、円安進行による輸入品仕入価格上昇があり、売上、利益ともに減少しました。
この結果、ファインケミカルの売上高は11,266百万円(前年同四半期比7.0%増)、営業利益は714百万円(前年同四半期比13.9%増)となりました。

② インダストリアル・プロダクツ
モビリティ関連商品は、国内における自動車シート用本革の取り扱い終了の影響もあり売上、利益ともに減少しました。
北米は、Sanyo Corporation of America、Sun Phoenix Mexico, S.A. de C.V.が堅調でした。中国は、景気減速と競争激化による日系自動車メーカーの減産でSanyo Trading (Shanghai) Co., Ltd.の売上、利益がともに減少しました。
アセアンは、Sanyo Trading Asia Co., Ltd.(タイ)が堅調でした。
この結果、インダストリアル・プロダクツの売上高は9,638百万円(前年同四半期比8.9%減)、営業利益は839百万円(前年同四半期比35.7%減)となりました。

③ サステナビリティ
グリーンテクノロジー関連商品は、飼料加工機器および木質バイオマス関連事業における本体納入計上が後ろ倒しとなったことや関連消耗品販売が低調となり、売上、利益ともに減少しました。
コスモス商事㈱が取扱う資源開発関連商品は、洋上風力機器関連を筆頭に海洋開発分野が業績を牽引し、地熱関連機材や石油・ガス関連機材も大型案件の受注があり好調でした。
この結果、サステナビリティの売上高は2,424百万円(前年同四半期比8.4%増)、営業利益は297百万円(前年同四半期比2.5%増)となりました。

④ ライフサイエンス
ライフサイエンス関連商品は円安を背景とした電材関連の輸出が増加し、マテリアルソリューション関連の売上、利益がともに堅調でした。科学機器関連商品は、仕入価格の上昇や円安の影響を受けて利益は減少しました。
㈱ワイピーテックが取扱う機能性飼料原料は販売数量増で売上が好調でした。
㈱スクラムが取扱うバイオ関連機器は遺伝子解析関連機器の代理店契約終了を前に需要が増加し好調でした。
この結果、ライフサイエンスの売上高は10,351百万円(前年同四半期比11.2%増)、営業利益は627百万円(同6.9%増)となりました。